- 面接ではどんなことを聞かれるの?
- 自己アピールの方法がわからない
- どんな服装で行ったらいいの?
面接を受けるのが数十年ぶりで、どんなふうに面接に挑めばいいのかわからないという人も少なくないでしょう。この記事では、50代看護師が面接で成功するためのポイントを解説します。私が転職サイトのキャリアパートナーから直接教えてもらったポイントをお伝えするので、面接の際に参考にしていただけると幸いです。
50代看護師が面接で成功するためのポイント

50代の看護師が面接で成功するためには、面接官が評価する要素を把握し、しっかりと準備することが重要です。以下では、面接官が注目するポイントや準備の仕方について解説します。
面接官が見るポイントを把握する

面接官が見るポイントは、主に以下の4つです。
- 第一印象
- 就職への熱意
- 長期就業の見込み
- 逆質問の有無
第一印象
第一印象は、面接の成否を左右する重要な要素です。丁寧な挨拶、清潔感のある服装、落ち着いた表情が面接官に好印象を与えます。また、自然な笑顔や姿勢の良さも信頼感を高めるポイントです。
清潔感を与えるための服装を準備し、挨拶の練習もしましょう。鏡の前で笑顔を作ったり、挨拶や返事の練習をしたりするのがおすすめです。練習を通じて自信を持って対応できるようにしましょう。
» 面接に適切な服装と身だしなみ
就職への熱意
面接官は、応募者が働きたい理由や熱意を重視します。具体的な志望動機を伝えるだけでなく、応募先の施設の理念や特徴を理解し、それに共感していることを説明することが重要です。
応募先が訪問看護ステーションであった場合の伝え方は以下のとおりです。
以前、家族が在宅医療を受けた際に、訪問看護師の方々の細やかなサポートに感動した経験があります。その際、在宅医療の重要性を深く実感しました。私もこちらの一員として、利用者の方やご家族が安心して生活を送れるように尽力したいと思いました。
上記のようなエピソードを交えることで、効果的にアピールできます。
» 志望動機・自己PRのやり方
長期就業の見込み

50代という年代では、長期的に働く意思があるかが重要視されます。自身の健康状態やこれまでの安定した職歴を踏まえ、長く勤務できる見込みを示すことで面接官に安心感を与えましょう。以下のように伝えるのがおすすめです。
現在週に3日ジムで運動をしており、健康管理には十分気をつけています。また、前職では10年以上同じ職場で勤務しておりました。この経験を活かし、貴院でも長期にわたってお役に立ちたいと考えております。
上記のようなエピソードを加えると効果的です。
逆質問
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。これを逆質問と言います。逆質問は職場への興味を示す良い機会です。質問がまったくないと「大丈夫かな?」と思われてしまいます。2~3つほど準備しておきましょう。質問内容は具体的で前向きなものが良いです。
- チームの雰囲気について教えてください
- 1日のスケジュールはどのような流れですか?
- 新しく入ったスタッフに対して、どのようなサポートがありますか?
- 看護師のキャリア支援はどのように行われていますか?
面接の準備を行う

面接の成功には、事前の準備が欠かせません。以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 志望動機・自己PR
- 前職の退職理由
- 想定される質問への回答
志望動機・自己PR
志望動機は、面接で必ず聞かれる質問です。具体的なエピソードを織り交ぜながら、応募先の病院や施設のニーズに合わせた内容にしましょう。
私が実際に使用した志望動機を紹介します。キャリアパートナーの方がきちんと添削してくれたものです。印象を良くするためには、謙虚さを取り入れることがポイントだと教えてもらいました。
訪問看護を新たに学びたいと思い、志望いたしました。
外来勤務の際に訪問看護を利用する患者さんと関わる機会があり、生活環境に寄り添ったケアの重要性を感じました。
訪問看護は未経験のため、スタックの皆様から学びながら、患者さん一人ひとりに寄り添った看護を行いたいと考えております。
応募先によっては、自己PRを求められる場合もあります。あなたの強みや成果を、具体的なエピソードを交えて伝えると効果的です。長々と説明する必要はなく、簡潔に伝えればOK。私の自己PRは以下のとおりですので、参考にしてください。
誠実で責任感が強く、どのような業務にも真面目に取り組みます。新しい知識や技術の習得にも意欲的です。患者様に対しては細やかな配慮を忘れず、安心していただける看護を心がけています。
前職の退職理由

前職の退職理由については、ポジティブな内容を伝えることが大切です。以下のような前向きな理由を伝えることで、面接官に良い印象を与えられます。
- 患者さん一人ひとりに寄り添ったケアを提供できる環境で働きたい
- 急性期病棟での経験を活かし、今後は地域医療に携わりたい
- 新しい技術や専門知識を習得し、スキルアップを目指したい
「人間関係が悪かった」「残業が多すぎた」などのネガティブな退職理由は、面接官に不安を与える恐れがあります。前向きな内容に言い換えながら、どんな貢献ができるかを意識して答えると、好印象につながります。
想定される質問への回答
想定される質問を事前にリストアップし、回答を準備することで、スムーズに対応できます。以下のような質問が想定されます。
- これまでの仕事で得た成功体験は?
- 職場での課題にどう対処したか?
- 困難な状況をどのように乗り越えたか?
具体的なエピソードを交えて答えると、面接官に伝わりやすいです。
- 成功体験の例
- 認知症患者さんへの対応に悩んでいた時期に、チームで勉強会を開き、ケア方法を見直した結果、患者さんの笑顔が増え、ご家族から感謝の言葉をいただいた。
- 課題対応の例
- 夜勤中のトラブル対応で、マニュアルが整備されていないことに気づき、上司に提案してマニュアル作成に携わった。結果、トラブル時の対応がスムーズになった。
- 困難克服の例
- 新人時代、ミスが続き落ち込んだが、先輩にアドバイスを求め、毎日振り返りノートをつけたことで、ミスを減らし自信を取り戻した。
経験した出来事を「どんな状況だったか」「自分がどう行動したか」「結果どうなったか」の順にまとめると、説得力のある回答ができます。
50代看護師が面接で自己PRするコツ

50代の看護師が面接で採用を勝ち取るには、自己PRが非常に重要です。経験やスキルを適切に伝えることで、面接官に対して信頼感と貢献度をアピールできます。自己PRの具体的な方法を解説します。
- 経験やスキルをアピールする
- 志望動機で職場への貢献を伝える
- 体力や健康管理能力をアピールする
- コミュニケーション能力をアピールする
経験やスキルをアピールする
50代の看護師は、長年の経験を強みとして活かせます。以下のポイントを意識してアピールしましょう。
- 実績を具体的に説明する
- これまでの職場での具体的な成功事例や、解決した問題を挙げることで説得力が増します。たとえば、「〇〇のケアに取り組み、患者満足度を向上させた」など、数字や成果を交えて説明すると効果的です。
- 専門スキルを強調する
- 特定の診療科での経験や、医療機器の操作に慣れていることなど、自身のスキルが即戦力である点をアピールしましょう。
志望動機で職場への貢献を伝える
志望動機は単なる理由だけでなく、職場への具体的な貢献を伝える場でもあります。以下2つのポイントを押さえましょう。
- 施設の特徴に合わせた内容を伝える
- 応募する職場の理念や方針を事前にリサーチし、それに基づいて志望動機を構築しましょう。たとえば、「患者に寄り添ったケアを提供する理念に共感したため」など、施設の特徴に合致した理由を述べると効果的です。
- 自分のスキルをどう活かすかを示す
- 職場での具体的な役割や、自分がどのように貢献できるかを明確に伝えます。たとえば、「これまでの〇〇科での経験を活かし、新人看護師の指導にも貢献したい」などです。
体力や健康管理能力をアピールする

50代という年代では、体力や健康管理能力についても面接官は注目しています。日常的に健康管理ができていることをアピールしましょう。たとえば「毎朝ウォーキングをして体力維持に努めている」や「定期的な健康診断を受けている」などです。具体的な習慣を伝えることで健康意識の高さを示せます。
体力面での実績を挙げることも効果的です。長時間勤務や夜勤などに対応した実績があれば、それを具体的に伝えると信頼感が増します。
コミュニケーション能力をアピールする
看護師には患者や同僚との良好なコミュニケーション能力が求められます。コミュニケーション能力を強調することも大切です。具体的なエピソードを交えて述べましょう。患者さんやご家族の不安を軽減するために、わかりやすく説明を行ったなど、過去の経験を具体的に述べると効果的です。
チームワークへの貢献を強調することも重要です。他のスタッフとの連携や、職場の課題を解決するために積極的に意見を出した経験を述べることで、協調性の高さをアピールできます。
50代看護師の面接に適切な服装と身だしなみ

50代の看護師が面接に臨む際には、清潔感ときちんとした印象を与える服装と身だしなみが重要です。第一印象は数秒で決まるため、身だしなみの良さは評価に大きく影響します。シワのないスーツ、整えられた髪型、ナチュラルなメイクを心がけると、面接官に好印象を与えやすくなります。
- スーツの色とデザイン
- スーツを持っていない場合の服装
- 髪型・メイク・爪
スーツの色とデザイン
面接にふさわしいスーツは、黒、紺、グレーなどの落ち着いた色のものです。派手な色や個性的なデザインは、面接官に違和感を与える恐れがあるからです。無地のダークグレーのシンプルなスーツは、年齢にふさわしい品格を演出できます。
スーツ選びに迷った場合は、「控えめで清潔感があるもの」を選べば安心です。
スーツを持っていない場合の服装

50代の中には、スーツを持っていない方も少なくないでしょう。スーツを持っていない場合は、オフィスカジュアルな服装を選ぶことが重要です。オフィスカジュアルな服装とは、スーツのように硬すぎず、しかしきちんと感のある服装のことです。
ブラウスやシャツ、パンツやスカートが基本。白いブラウスに紺やベージュのシンプルなジャケットとスラックスを合わせると、きちんとした印象になります。
ラフすぎる服装は面接に対する意欲が低いと受け取られる可能性があります。スーツがなくても、清潔感ときちんと感を意識してコーディネートしましょう。
髪型・メイク・爪
髪型やメイク、爪の手入れも面接では大切なポイントです。細かい部分からも「この人に安心して仕事を任せられるか」が判断されます。髪は整えて顔にかからないようにまとめましょう。ヘアアクセサリーはつけないほうが無難です。
メイクはナチュラルに仕上げ、爪は短く清潔に整えましょう。細部まで気を配ることで、面接官にプロ意識を伝えられます。
面接の成功率を上げる50代看護師のビジネスマナー

50代の看護師が面接で成功するためには、ビジネスマナーをしっかりと守ることが大切です。ビジネスマナーは社会人としての基本であり、面接官はその人の人柄や仕事への姿勢を見ています。以下のポイントを押さえましょう。
- 時間を守る
- 挨拶をする
- 話し方と態度に注意する
- 書類の扱いに気をつける
時間を守る
面接では、指定された時間の10分前には到着するよう心がけることが重要です。時間にルーズな人は仕事でも信頼されにくく、マイナス評価につながるからです。以下のような入念な準備が求められます。
- 交通機関の遅延に備えて、1本早い電車に乗る
- 駅から会場までのルートを事前に調べておく
時間に遅れないために、早めに到着して近くのカフェで時間調整するのもおすすめ。余裕を持って行動しましょう。時間を守ることで、誠実さとプロ意識をアピールできます。
挨拶をする
面接時には、はっきりとした声で明るく挨拶をすることが大切です。第一印象は数秒で決まるため、挨拶の質がその後の面接全体の雰囲気を左右します。
受付では「おはようございます。本日10時より面接をお願いしております、○○と申します」と、姿勢を正して伝えましょう。面接する部屋へ入る際はドアをノックしてから「失礼いたします」と一礼し、着席を促されるまで立って待つなどの基本動作も大切です。丁寧な挨拶と態度が、社会人としての信頼を築きます。
話し方と態度に注意する

面接では、落ち着いた話し方と丁寧な態度を心がけることが必要です。話し方や態度から協調性や信頼性が評価されるからです。緊張して早口にならないよう、一文ごとに区切ってゆっくり話しましょう。面接官の質問を聞き終えてから答えることも重要です。
椅子には浅く腰掛け、背筋を伸ばしましょう。面接官の目を見て話すことも印象を良くします。自信と落ち着きを感じさせる話し方と態度を心がけることで、面接の成功率を上げられます。
書類の扱いに気をつける
履歴書や職務経歴書などの書類は、丁寧に扱うことが重要です。書類の状態は、応募者の仕事への姿勢や几帳面さを表すからです。書類はクリアファイルに入れて折れないように持参します。提出時には「こちらが履歴書と職務経歴書でございます」と両手で渡すと、きめ細かな配慮が伝わります。
履歴書に汚れや書き損じがないかを事前にチェックし、控えを持参する心配りも必要です。書類管理の丁寧さは、医療現場でも信頼につながる重要な要素です。折れや汚れのないファイルに入れて持参し、求められたときにはスムーズに取り出して渡すと、細やかな気配りが伝わります。書類はただの提出物ではなく、自分を表現する道具と考えましょう。
» 看護師転職における履歴書の書き方
» 看護師転職者向け職務経歴書の書き方
50代看護師が面接で成功するために準備しよう!

面接に不安を感じている50代の看護師でも、正しい準備ができれば、自信を持って面接に臨めます。まずは、面接官が見る以下のポイントを把握することが必要です。
- 第一印象
- 就職への熱意
- 長期就業の見込み
- 逆質問
志望動機や自己PR、退職理由などを用意することも重要。しっかりと準備して、自信を持って面接に望みましょう。