- 職務経歴書の書き方がわからない
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転職を考えている看護師の中には、職務経歴書の書き方に悩む方も少なくありません。自己流で作成すると、採用担当者に適切に伝わらない可能性も。
この記事では、看護師転職に必要な職務経歴書の書き方をわかりやすく解説します。記事を読めば、採用担当者に自身の強みを的確に伝えられる職務経歴書が書けます。
職務経歴書は、フォーマットに沿って書くとスムーズに作成できます。効率的に短時間で仕上げることも可能です。

職務経歴書が不要なケースもあります。事前に採用担当者へ確認しましょう。
看護師の転職で職務経歴書が必要な理由

看護師が転職する際、職務経歴書は重要な書類の一つです。履歴書だけでは伝えきれない専門性や実務経験を明確に示し、採用担当者に自身のスキルや適性を伝える役割があります。以下に詳しく解説します。
- 専門性や実務経験を示すため
- スキルや適性を示すため
専門性を示すため
職務経歴書は、看護師としての専門性を証明するための書類です。急性期病棟での経験がある場合「救急対応の経験が豊富で、心肺蘇生や緊急処置に迅速に対応できる」と記載することで、即戦力としてのアピールが可能です。
訪問看護の経験がある場合「在宅医療の現場で患者の生活環境を考慮した看護を提供し、家族との関わりも含めたケアを実践してきた」と記載すると、応募先のニーズに合ったスキルを伝えられます。
スキルや適性を示すため
採用担当者は、応募者が持つスキルや適性を職務経歴書から判断します。そのため、業務経験を具体的に記載し、自身の強みを伝えることが重要です。
前職で新人教育を担当していた場合「新人看護師の指導を担当し、業務の流れや患者対応の基本を教える役割を担っていた」と記載すると、教育スキルの高さを示せます。「研修プログラムの作成や指導マニュアルの改善に携わった」などの具体的な業務内容を加えることで、より説得力のあるアピールが可能です。
リーダー経験がある場合「病棟の業務改善プロジェクトを主導し、スタッフ間の連携を強化する取り組みを行った」と記載すると、管理能力を伝えられます。「スタッフの業務分担を見直し、業務効率化を進めた結果、患者満足度が向上した」といった成果を数値や具体的な事例を交えることで、より実践的なスキルが伝わりやすいです。
職務経歴書と履歴書の違い

履歴書は学歴や職歴、資格などの基本情報を記載する書類です。一方、職務経歴書はより詳細な業務経験やスキルを伝えるためのものです。
履歴書には「○○病院勤務」と記載するだけですが、職務経歴書では「○○病院の内科病棟で3年間勤務し、糖尿病患者のケアや教育を担当しました」と具体的に記載します。採用担当者に自身の経験をより明確に伝えられます。
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看護師の職務経歴書の構成と書き方

職務経歴書は、転職時に自身のスキルや実績をアピールするための重要な書類です。採用担当者が応募者の経歴を正確に把握できるよう、明確で読みやすい構成を心がけましょう。以下3つの項目に沿って解説します。
- 職務経歴書の基本構成
- 職務経歴の書き方
- スキル・資格・自己PRの書き方
職務経歴書の基本構成
職務経歴書は、一般的に以下の要素で構成されます。
- タイトル・日付:「職務経歴書」などの記載と作成日
- 氏名・連絡先:電話番号やメールアドレス
- 職務経歴:勤務先、業務内容、期間
- 資格・スキル:保有資格や技術
- 自己PR:自身の強みや転職理由
職務経歴の書き方

職務経歴書の中の職務経歴の部分は、どのような経験を持ち、何ができるのかを伝えるための最も重要なパートです。職歴を並べるのではなく、伝えるべきポイントを押さえた書き方が必要です。まず時系列で勤務先ごとに経験を整理します。書き方の基本は以下の通りです。
- 勤務期間(西暦で記載)
- 勤務先名と病床数(例:〇〇病院〈300床〉)
- 雇用形態(正職員、非常勤など)
- 配属部署と業務内容(病棟・外来・訪問など)
- 主な看護業務や実績(夜勤リーダー、新人指導など)
自分の役割や成果、取り組み姿勢などを具体的に書くことで、他の応募者と差別化できます。「褥瘡予防のチームに所属し、転倒リスク管理に取り組んだ結果、事故件数を半減させた」など、成果が明確な記述が好印象です。
「どこで、何をして、どう貢献したのか」を意識して書くことで、あなたの経験と価値が伝わる職務経歴となります。職務経歴欄は自己アピールの中心になるので、丁寧かつ戦略的に記載しましょう。
スキル・資格・自己PRの書き方
スキル・資格・自己PRの欄は「自分の強みを端的に伝える」ための重要なパートです。充実させることで、書類選考を通過する可能性が大きくなります。
スキルの欄には、現場での具体的な看護技術や対応可能な疾患・医療機器などを記載します。「人工呼吸器管理」「経管栄養の実施」「終末期患者のケア」などです。「夜勤リーダー経験」や「新人指導」などの役割経験も立派なスキルです。
資格欄には、正式名称で取得年月を記載します。看護師免許や保健師免許のほか、BLS、認定看護師、感染管理資格などがあれば積極的にアピールしましょう。
自己PRは、結論→理由→具体例→再主張の順で書くと効果的です。以下のような流れで書きます。
「私は患者様に寄り添う姿勢を大切にしています(結論)。急性期病棟で不安を抱える患者様に対して、丁寧な声かけと説明を心がけてきました(理由)。ターミナル期の患者様のケアでは、ご家族から感謝の言葉をいただきました(具体例)。今後も、患者様に安心感を与えられる看護を実践していきたいと考えています(再主張)。」
看護師の職務経歴書を書くときに気をつけること

看護師転職の職務経歴書を書く際に気をつけることを3つ紹介します。
- 採用担当者に伝わりやすい工夫をする
- 誇張せずに正直に書く
- 形式やフォーマットの乱れに注意する
採用担当者に伝わりやすい工夫をする
職務経歴書を作成する際は、採用担当者に伝わりやすいように工夫しましょう。採用担当者は多くの応募書類を短時間でチェックするため、分かりやすく簡潔な表現にすることが重要です。
例えば、職務経験を記載する際「急性期病棟にて3年間勤務し、患者の救急対応を担当」と書くよりは、以下のように箇条書きにする方がおすすめです。
- 急性期病棟での3年間の勤務経験
- 救急対応スキル(心肺蘇生・緊急処置)
- 10名以上の新人指導経験あり
上記のように書けば視認性が向上し、要点が伝わりやすくなります。
誇張せずに正直に書く

職務経歴書に実際は担当していなかった業務を書いたり、事実を誇張したりして書くのはやめましょう。面接で質問されたときに辻褄が合わず、不信感を持たれる恐れがあるからです。面接で深掘りされた際に具体的な回答ができないと、誠実さに欠けると判断されかねません。
採用担当者は、豊富な面接経験から内容の真偽を見抜く力を持っています。職務経歴書では、等身大の自分を丁寧に表現することが大切です。リーダー経験がない場合でも「〇〇チームの一員として協力していた」「〇〇業務の担当として責任をもって取り組んだ」など、事実ベースの実績を書けば十分に評価されます。自分の経験に自信を持ち、正直に伝える姿勢が信頼につながります。
形式やフォーマットの乱れに注意する
職務経歴書は内容だけでなく、見た目も重要です。いくら素晴らしい経歴があっても、レイアウトが乱れていたり読みにくかったりすると、印象が悪くなります。
職務経歴書は、パソコンで作成することをおすすめします。パソコンで作成された文書は整っており、採用担当者にとって視認性が高いためです。一般的にはA4サイズで1~2枚にまとめるのが適切とされ、WordまたはPDF形式で保存・提出するのが望ましいです。
フォントの種類やサイズ、見出しの付け方などは統一し、適度な余白を設けることで全体がすっきりと見せられます。
パソコンを使用できない場合は手書きでも構いません。ただし、黒のボールペンまたは万年筆で丁寧に書きましょう。誤字脱字がないように注意してください。書き損じたときは修正液など使用せず、新しい用紙に書き直しましょう。
看護師の仕事は、正確さと丁寧さが求められます。職務経歴書にもその意識が表れるため、形式やフォーマットの整った書類を提出することが重要です。
経歴に不安がある看護師向けの職務経歴書アドバイス

転職回数が多い場合やブランクがある場合など、経歴に不安がある方でも、工夫しだいで魅力的な職務経歴を作成できます。以下を参考にしてください。
- 転職回数が多い場合
- ブランクがある場合
- 経験が浅い場合
転職回数が多い
転職回数が多い場合は「複数の現場で幅広い経験を積んできた」とポジティブに伝えることが重要です。複数の職場で得た経験は柔軟性や適応力の高さを示すものであり、さまざまな環境に対応できることを意味します。
「急性期病院でのスピード感ある対応力」と「療養型施設での丁寧なケア」の両方を経験している場合、それぞれの現場で求められる役割を理解し、的確に動けることを具体的に伝えましょう。
「さまざまな現場を経験したからこそ、自分の適性が明確になり、御院で長く働きたいと考えるようになった」という前向きな理由を添えると、説得力が増します。
転職回数が多くても悲観せず、自分の強みと成長を証明するエピソードを伝えることが重要です。
ブランクがある場合

ブランクがある場合も、正直かつ前向きに伝えれば大きな問題ではありません。ブランク機関に何を考え、何を準備してきたかを明確に伝えることで、意欲と責任感をアピールできます。
育児や介護などで離職していた場合でも「空いた時間を活用して最新の医療情報を学んだ」「復帰を見据えて看護師復職支援セミナーに参加した」といった具体的な行動を伝えることで、前向きに取り組んでいる姿勢が伝わります。
ブランク期間はネガティブに捉えられがちですが、自分を見つめ直し成長の機会としたことを伝えれば、むしろプラスに働くケースも少なくありません。
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経験が浅い場合
経験が浅くても、意欲と学ぶ姿勢があれば採用される可能性は十分にあります。 大切なのは「何ができるか」よりも「これからどう成長したいか」を明確に伝えることです。
採用担当者は即戦力だけでなく、育成の余地があり素直に吸収できる人材も歓迎します。人手不足の医療現場では、長く働き続けてくれる人材を求める傾向があります。
「看護技術はまだ不十分な点もあるが、先輩の指導を素直に受け入れ、着実にスキルアップを目指している」と伝えることで、成長意欲や協調性を示すことが可能です。「今後は急性期での経験を積み、対応力を高めたい」など、将来へのビジョンを述べると説得力が増します。
経験が浅いことを補うためには、自ら学ぶ姿勢と具体的な目標を示すことが大切です。「この人は伸びる」と期待されれば、選ばれる可能性が高まります。
時間がない人向け|職務経歴書を効率的に作成する方法

限られた時間の中で効率的に職務経歴書を作成するには、情報の整理とテンプレート活用の2ステップで効率化を図ることが有効です。以下のポイントを押さえ、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。
- 必要な情報をリストアップする
- テンプレートに沿って書く
必要な情報をリストアップする
効率的に職務経歴書を作成するためには、書き始める前に必要な情報をリストアップすることが重要です。情報のリストアップをせずに書き始めると、何を書くか迷って時間を浪費する原因になるからです。
複数の職場を経験している場合、記憶だけを頼りに書こうとすると抜けや漏れが出やすく、修正にも手間がかかります。事前に準備すべき代表的な情報は以下のとおりです。
- 勤務先の名称と所在地
- 在籍期間
- 配属部署・診療科・担当患者
- 担当した業務と具体的な役割
- 工夫したことや実績(例:新人教育、感染対策への貢献など)
- 保有資格・研修受講歴・スキル
上記のように情報をリストアップできれば、あとはそれを文章化していくだけです。スムーズに書類作成を進められます。
テンプレートに沿って書く
職務経歴書を短時間で仕上げるには、テンプレートに沿って書く方法が最も有効です。文章構成に悩まずに済むため、集中して作業に取り組めます。一般的なテンプレートは以下の順番で構成されています。
- 【職務要約】これまでの経歴を100〜150文字でまとめる
- 【職務経歴】勤務先ごとに「勤務期間・勤務先・雇用形態・業務内容・実績」を記載
- 【資格・スキル】保有資格や研修歴を記載
- 【自己PR】自身の強みや実績をアピール
経験年数が少ない人でも、テンプレートに沿って記載することで、印象の良い職務経歴書になります。型があるからこそ内容に集中でき、時短にもつながります。忙しい人ほど、テンプレートを活用して、賢く仕上げましょう。

看護師向け職務経歴書のテンプレートが無料でダウンロードできるサイトがありました。
- ジョブメドレー(Word)
- ナース専科(PDF、Word※A4)
看護師の職務経歴書の記入例:病院・訪問看護・ブランクあり

看護師の職務経歴書は、勤務先の種類や働き方によって、アピールすべきポイントが異なります。自分に合った記入例を参考にすることで、効果的にアピールが可能です。以下に、よくある3つのケースとして記入例を紹介します。
- 病院勤務の例
- 急性期病棟で3年間勤務。外科・整形外科の混合病棟にて20床を受け持ち、術後管理・疼痛コントロール・早期離床を意識した看護を実践した。新人教育にも携わった経験あり。
- 訪問看護の例
- 訪問看護ステーションで2年間勤務。1日平均5件の訪問を担当し、ターミナルケア・褥瘡ケア・服薬管理を実施。ご家族への説明や精神的支援も行い、多職種連携にも注力した。
- ブランクありの例
- 結婚・出産により3年間のブランクを経て復職。復帰後はパート勤務からスタートし、日勤常勤として内科クリニックに勤務した。ブランク中も子育て支援講座等に参加し、継続的に学びを重ねた。
上記のように、勤務先ごとの具体的な業務内容と、成果・姿勢を明確にすることで、職務経歴書に説得力が生まれます。自分の強みを活かし、採用担当者に伝わる文章を心がけましょう。
看護師の職務経歴書に関するよくある質問

看護師の職務経歴書に関するよくある質問についてお答えします。
在籍期間が短い場合は?
在籍期間が短くても、どのような業務を担当し、どのようなスキルを身に着けたかを具体的に書くことで、十分に評価されます。
「急性期病棟で多忙な現場を経験し、迅速な判断力と優先順位のつけ方を学んだ」のように、学びや成果を明確にするのがポイントです。
パート・アルバイトも書くべき?
パートやアルバイトでの勤務経験も、職務経歴書に記載しましょう。特定の診療科での経験や看護技術を活かした実績がある場合は、積極的に書くことが大切です。常勤でなくても、看護師としての能力を磨いた経験は立派な経歴です。
担当業務や得たスキルを簡潔に記載することで、採用担当者に好印象を与えられます。
パソコンが苦手な場合の対処法は?
パソコン操作に不安がある方は、無料で使える職務経歴書テンプレートやオンライン作成ツールを活用しましょう。PDFやWordのテンプレートを使えば、レイアウトが整った書類が簡単に作成できます。
» PDF・Wordでダウンロードできるテンプレート
看護師向けのテンプレートが多数提供されているため、自分の経歴に合わせてカスタマイズが可能です。どうしても難しい場合は、家族や友人に手伝ってもらうか、キャリア支援サービスに相談するのも一つの方法です。
【看護師転職向け】職務経歴書を効率的に作成しよう

看護師転職における職務経歴書の書き方と注意点について解説しました。職務経歴書は、採用担当者に自身の経験やスキルを伝える重要な書類です。職務経歴書の基本構成は以下の5つです。
- タイトル・日付
- 氏名・連絡先
- 職務経歴
- 資格・スキル
- 自己PR
職務経歴の項目は、業務内容や実績を具体的に書くことで即戦力としてのアピールが可能です。短時間で効率的に作成するには、テンプレートを活用するのがおすすめ。ポイントを押さえ、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。