- 履歴書の志望動機って何を書けばいいの?
- 志望動機の例文が知りたい!
- 志望動機に書いたらNG表現はある?
転職予定の看護師の中には、志望動機の書き方がわからない人も少なくありません。履歴書の志望動機は、採用担当者があなたの人柄や熱意を見る重要な項目です。しっかり伝わる内容にするにはコツが必要です。
この記事では、履歴書の志望動機の書き方を解説します。実際に使える例文やNG例も紹介するので参考にしてください。

志望動機は「この職場で働きたい!」という気持ちを表す大切な項目です。応募先にマッチした魅力的な内容に仕上げましょう。
看護師転職で履歴書に志望動機を書く意味

履歴書に志望動機を書く意味は以下の2つです。
- 就職への意欲を示すため
- 応募先への適性を伝えるため
履歴書では、限られたスペースの中で、自分の意欲や適性を端的かつ明確に伝えることが求められます。単なる職歴や資格の羅列だけでは伝えきれない、あなたの「思い」や「熱意」を補足する重要な手段が志望動機です。
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就職への意欲を示すため
志望動機は、「この職場で働きたい」という強い意欲を伝えるものです。特に看護師の転職では、即戦力としての期待が高いため、前向きな姿勢や熱意が評価に直結します。
たとえば「急性期の看護に携わり、患者の早期回復に貢献したい」など、明確な目標や関心があれば、採用担当者にあなたの目指す方向性が伝わりやすくなります。働く意思と今後のビジョンを履歴書でしっかり伝えることで、好印象を与えることができます。
応募先への適性を伝えるため
志望動機には、応募先の施設や方針と自分の考え方や経験が合っていることを示す役割もあります。たとえば「この施設の看護理念に共感した」「在宅医療に関心があり、地域に根ざした看護を実践したい」など、自分の価値観や経験が応募先とどのようにマッチするかを具体的に記載しましょう。
応募先との相性が明確になれば、適性があると判断され、選考を有利に進めることができます。自分と施設との接点を意識して書くことが大切です。
履歴書の志望動機|看護師転職での書き方5ステップ

志望動機を効果的に書くには、事前準備が欠かせません。以下の5つのステップを踏むことで、説得力のある志望動機が完成します。
- 看護師経験を棚卸しする
- 転職理由を言語化する
- 応募先の情報をリサーチする
- 貢献できる強みを見つける
- 文章を簡潔にまとめる
①看護師経験を棚卸しする
まずは自分の経験を振り返りましょう。どのような診療科で働き、どんな患者と接してきたかを整理することで、自分の看護スタイルや得意分野が見えてきます。以下の順番で整理してみましょう。
- 勤務してきた診療科や病棟を書き出す
- 主な業務内容や関わった患者層を思い出す
- 印象に残っている出来事や達成感を得たエピソードをピックアップする
- ③から自分の強みや看護観を言語化してみる
看護経験の棚卸し作業は、志望動機に深みを持たせる土台となります。
②転職理由を言語化する
転職の動機をはっきりさせることも重要です。「家庭との両立を目指したい」「専門性を高めたい」など、転職の背景を明確に言葉にしましょう。
「夜勤の少ない職場を探している」「緩和ケアの分野で専門性を高めたい」のように、理由を具体化すると、志望動機に一貫性が生まれます。前向きな表現で伝えることで、採用担当者に好印象を与えられます。
③応募先の情報をリサーチする

応募先をよく調べましょう。公式サイトや採用ページを確認し、理念・特徴・取り組みなどを把握することが重要です。情報収集する方法は、以下を参考にしてください。
- 公式サイトを確認する
- 採用ページや看護部のページを見る
- 病院や施設、事業所の取り組みやニュースを探す
- 口コミサイトやSNSを見る
④貢献できる強みを見つける
自分が応募先にどう貢献できるかを考えることも重要です。以下のような強みがあるなら、具体的に伝えられます。
- コミュニケーション能力が高く、患者や家族に寄り添った看護ができる
- 感染対策に関する研修を複数受けており、病棟での衛生管理に強みがある
応募先のニーズと自分のスキルが合致していれば、採用される可能性は高まります。強みを明確に言語化しましょう。
⑤文章を簡潔にまとめる
最後に、これまでの内容をわかりやすく簡潔にまとめましょう。長文になりすぎると、要点が伝わりにくくなります。
たとえば「急性期病棟での5年間の経験を活かし、貴院でも即戦力として貢献したい」など、一文で伝えたいポイントが伝わる文章が理想です。
自分の経験・転職理由・志望先との相性・強みをバランスよく盛り込み、読みやすい文章を心がけましょう。採用担当者が一読して内容を把握できるように、シンプルかつ端的にまとめることが大切です。
履歴書の志望動機|作成時の6つのコツ

履歴書の志望動機を効果的に書くには、6つのコツを押さえることが重要です。
- 応募先ごとに内容をカスタマイズする
- ネガティブな転職理由はポジティブに変換
- 自分の言葉でオリジナリティを出す
- 長く働けることをアピールする
- 条件面だけを強調しない
- 文字数は250~300字程度で簡潔に
上記のポイントを踏まえることで、応募先に響く志望動機が作成できます。
応募先ごとに内容をカスタマイズする
志望動機は、応募する病院や施設ごとに内容を調整することが大切です。どの職場にも独自の理念や方針、求める人物像があるからです。一般的な内容では意欲が伝わりにくく、他の応募者に埋もれてしまう可能性があります。応募先に合わせた志望動機にすることで、熱意や理解度が伝わりやすくなります。
これまで急性期病棟で培った観察力や判断力を活かし、地域包括ケアに力を入れている貴院で、患者さま一人ひとりの生活に寄り添った看護を実践したいと考え、志望いたしました。
ネガティブな転職理由はポジティブに変換

転職理由にネガティブな内容がある場合は、前向きな表現に変換しましょう。たとえば「人間関係が悪かった」ではなく「チームで連携できる環境を求めている」などです。ネガティブな表現は、印象を悪くする原因になります。ポジティブな方向に言い換えることで、応募先にも好印象を与えられます。
前職では個人で動く場面が多かったため、今後はチームで協力しながら患者さまを支える看護に取り組みたいと考え、チーム医療を重視されている貴院を志望しました。
自分の言葉でオリジナリティを出す
例文をそのまま使うのではなく、自分の言葉で志望動機を書くことが大切です。自分の経験や思いを自分の言葉で語ることで、信頼性や熱意が伝わるからです。多少つたない表現でも構いません。自身の経験に基づいたオリジナルの内容こそが、採用担当者の心に響く志望動機になります。
入院中に不安そうにしていた患者さまに声をかけ、笑顔を見せてもらえた経験が印象に残っています。患者さまの心に寄り添える看護を大切にしてきたので、貴院の“人にやさしい医療”という理念に強く共感し、応募いたしました。
長く働けることをアピールする
採用担当者は、長期的に働いてくれる人材を求めています。志望動機の中に「長く働きたい」という意思を盛り込むと効果的です。「地元で長く働ける職場を探していた」や「この分野に長く携わりたい」など、具体的に記載すると説得力が増します。安定性をアピールすることは、信頼感のある印象につながります。
地元で長く働ける職場を探しており、地域密着型の医療に取り組む貴院に強く惹かれました。ライフステージが変わっても、ここで看護を続けていきたいと考えております。
条件面だけを強調しない

「自宅から近い」や「残業が少ない」などの条件面だけを志望動機にすると、印象が弱くなります。条件面は転職理由の一部ですが、「ここで働きたい」という気持ちが伝わりません。条件に加えて、施設の方針や理念に共感した点、自分の経験をどう活かせるかなども盛り込みましょう。
子育てと両立できる職場を探しており、残業が少ないという点に魅力を感じました。加えて、患者さまの生活支援にも力を入れている貴院の取り組みに共感し、自身の訪問看護の経験を活かせると感じて応募いたしました。
文字数は200~300字程度で簡潔に
履歴書の志望動機欄の文字数は、200~300字程度で簡潔に記載しましょう。長すぎると読みづらくなり、短すぎると意欲が伝わらない可能性があります。結論から先に述べ、経験や貢献できる点などを続けて書くと読みやすく、印象に残る文章になります。
急性期から在宅まで一貫した看護を学びたいと考え、地域包括ケア病棟のある貴院を志望しました。私は急性期病棟で5年間勤務し、術後管理や緊急対応に携わってきました。持ち前の観察力と対応力を活かし、患者さまに安心感を与える看護を提供したいと思っております。
履歴書に記載する志望動機が思いつかない時の対処法

志望動機が思いつかないときは、以下の対処法を実行してみてください。自分に合った志望動機が自然と見えてきます。
- 自己分析で過去の経験を整理する
- 応募先の理念や方針と自分の思いを結びつける
- 経験や学びをもとにした強みを見つける
自己分析で過去の経験を整理する
志望動機が浮かばないときは、自己分析を行いましょう。職務経験や学びを振り返ることで、自分が大切にしてきた価値観や看護観が明らかになります。何にやりがいを感じたか、どんな看護を大切にしているかを言語化することで、自分らしい志望動機を導く手がかりになります。
応募先の理念や方針と自分の思いを結びつける

応募先のホームページなどから、理念や方針を事前に確認し、自分の看護観や経験と共通する部分を探しましょう。
たとえば「患者中心の看護」という理念に共感した場合、その理由やそれを体現した経験があれば、志望動機に盛り込むと説得力が増します。応募先が大切にしている考えと、自分の考えが一致していることを伝えることで、「この職場に合う人材だ」と感じてもらいやすくなります。
経験や学びをもとにした強みを見つける
志望動機が思いつかないときは、患者対応で工夫したことやチーム医療で得た学びなどを思い出してみましょう。過去の経験から得た学びやスキルは、他の応募者と差別化する大きな武器になるからです。そこから導き出された強みを軸にして志望動機を考えることで、より実践的かつ現実的な内容になります。
【シーン別】履歴書に書く志望動機の例文

志望動機は目的や状況によって表現の仕方が変わります。それぞれに合った内容で、採用担当者に納得感を与えましょう。6つのケース別に例文を紹介します。
- スキルアップ・キャリアアップを目指す場合
- ワークライフバランスを重視したい場合
- 子育て・ブランク明けからの復職の場合
- 夜勤専従・夜勤ありの働き方を希望する場合
- 未経験分野にチャレンジする場合
- パート・非常勤勤務を希望する場合
スキルアップ・キャリアアップを目指す場合
これまでの経験を活かし、より専門性の高いスキルを身につけたいと考え、貴院を志望いたしました。前職では一般病棟での看護業務を中心に行っておりましたが、今後は急性期医療における知識と技術を深めたいと考えております。貴院の研修制度や教育体制は、自身のキャリアアップのためにも理想的な環境であると確信しております。新しい知識を積極的に吸収し、即戦力として現場で貢献できるよう努力してまいります。
ワークライフバランスを重視したい場合

家庭との両立を図りながら、看護師として長く安定して働きたいと考え、貴院を志望いたしました。これまで病棟勤務で夜勤や残業のある生活を続けてきましたが、子どもの成長にあわせて生活リズムを見直したいと感じるようになりました。貴院では日勤中心のシフトや、有給休暇が取得しやすい環境が整っており、安心して働けると感じております。看護の質を落とさずに働ける職場で、患者さんに対しても心身ともに余裕を持った対応ができるよう、誠実に努めてまいります。
子育て・ブランク明けからの復職の場合
子育てのため一時的に現場を離れておりましたが、再び看護師として社会に貢献したいという思いから、貴院を志望いたしました。貴院では子育て支援制度やフォロー体制が充実しているとお聞きし、安心して復職できる環境だと感じました。ブランク期間中も、医療の最新情報や看護技術に関する知識を自己学習により継続しております。これまでの経験とブランク中に得た気づきを活かし、丁寧で心のこもった看護を提供してまいります。
未経験分野にチャレンジする場合
新たな分野で経験を積み、看護師として幅を広げていきたいという強い思いから、貴院を志望いたしました。これまで高齢者医療に携わってきましたが、精神科医療への関心が高まり、精神的サポートを必要とする患者さんに寄り添う看護を学びたいと考えるようになりました。未経験ではありますが、貴院の教育制度やフォロー体制が整っている点に惹かれ、安心してチャレンジできると感じています。丁寧な指導のもと、基本を一から学び直す覚悟で取り組み、常に向上心を持って患者さんに信頼される看護を提供できるよう努力してまいります。
夜勤専従・夜勤ありの働き方を希望する場合

これまで夜勤を多く経験する中で、夜間ならではの看護の役割や重要性を強く感じるようになり、今後は夜勤専従として働きたいと考えるようになりました。夜間は限られた人数での対応が求められるため、観察力や判断力、迅速な対応力が求められますが、その中で得た冷静さと責任感には自信があります。貴院は夜勤体制が整っており、安心して業務に取り組める環境であると感じました。患者さんが不安を感じやすい夜間において、丁寧で寄り添ったケアを行い、安心感を提供できる看護師を目指してまいります。
パート・非常勤勤務を希望する場合
家庭と仕事の両立を考え、柔軟な勤務が可能なパート勤務ができる貴院に応募いたしました。以前は総合病院の病棟にて正職員として勤務しており、急性期から慢性期まで幅広い看護に携わってまいりました。現在は子育て中であるため、限られた時間ではありますが、これまで培ってきた経験や技術を活かし、現場に貢献したいと考えております。短時間勤務であっても責任感を持ち、周囲とのコミュニケーションを大切にしながら、チームの一員としてしっかりと役割を果たしていきます。状況に応じて今後の勤務時間の見直しも前向きに検討する予定です。
看護師転職で避けるべき志望動機のNG例

看護師転職の志望動機としてはNGな例文を紹介します。
- 待遇や勤務条件のみを志望動機にする
- 志望動機が抽象的・あいまい
- ネットの例文をそのまま使う
待遇や勤務条件のみを志望動機にする
待遇や勤務条件のみを志望動機にするのはやめましょう。「給与が良いから」「残業が少ないから」などの志望動機は、志望度が低いと判断されかねません。労働条件は重要ですが、それだけを前面に出すと長期的な勤務意欲や業務への関心が感じられなくなります。志望動機では、その施設で働きたい理由や自分の経験・スキルをどう活かせるかに重点を置きましょう。
志望動機が抽象的・あいまい

「患者さんに寄り添った看護がしたい」「やりがいを感じたい」など、抽象的な表現にとどまると、採用担当者には響きません。誰にでも当てはまるような内容ではなく、なぜその職場でそれを実現したいのか、どんな経験を活かしたいのかなどの具体性を持たせることが大切です。施設の方針や取り組みに共感した点を交えて、自分の言葉で伝えましょう。
ネットの例文をそのまま使う
ネット上の例文を参考にするのは構いません。しかし、そのまま丸写しにするのは避けましょう。採用担当者は多くの応募書類を見ており、使い回しの表現にはすぐ気づきます。ありきたりな内容だと、意欲が感じられず印象に残りません。自分の経験や考えをベースに、オリジナリティのある文章を心がけましょう。
採用担当に響く志望動機にするためのチェックポイント

志望動機を作成する際は、以下のチェックポイントを押さえましょう。
- 結論→理由→展望の順で構成する
- 履歴書と面接の内容に一貫性を持たせる
- 誤字脱字や表記ルールを見直す
結論→理由→展望の順で構成する
採用担当者に伝わりやすい志望動機は「結論→理由→展望」の順で構成されています。まず「貴院を志望する理由」を簡潔に述べ、その理由となる経験や背景を説明し、最後に「どのように貢献したいか・どんな働き方をしたいか」といった将来の展望で締めくくると、まとまりのある文章になります。
履歴書と面接の内容に一貫性を持たせる

履歴書に書いた志望動機と、面接での発言内容にズレがあると、信頼性が低下します。あらかじめ履歴書の内容を確認し、面接でも同じ軸で説明できるよう準備しましょう。一貫性を保つことで、志望の本気度や誠実さが伝わりやすくなります。
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誤字脱字や表記ルールを見直す
志望動機の内容が良くても、誤字脱字があると印象が悪くなります。「貴院」と「御院」など、医療業界に適した表現や敬語の使い方にも注意が必要です。書いたあとは必ず見直し、可能であれば第三者にチェックしてもらうと安心です。細部まで気を配る姿勢は、採用担当者にも好印象を与えます。
まとめ

看護師転職における履歴書の志望動機は、単なる形式ではなく、自分の思いや経験を伝える大切な項目です。書き方のステップは以下のとおりです。
- 看護師経験を棚卸しする
- 転職理由を言語化する
- 応募先の情報をリサーチする
- 貢献できる強みを見つける
- 文章を簡潔にまとめる
自分の言葉を使い、応募先とのマッチングを意識した内容にすることが重要です。

採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような志望動機を作成しましょう。